フィギュアスケートの世界選手権は最終日の23日、さいたまスーパーアリーナで男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)3位の羽生結弦(ANA)は206.10点、合計300.97点で2位だった。
故障からの4カ月ぶりの復帰戦で300点に乗せての2位は「復活」と呼んでもいい。だが五輪2連覇の羽生にとっては「負けは死も同然だと思っている」。優勝したチェンに20点差以上あけられたこともあり、この結果を「負け」と表現した。
羽生は追う立場となり、4回転ループに懸けた。昨年11月のグランプリ(GP)シリーズロシア杯の練習中に右足首を負傷する原因になったジャンプであり、右足で踏み切り、右足で着氷するため最も負担が大きい。
だが、連覇を遂げた昨年2月の平昌五輪に向け、時間をかけて磨いた思い入れのあるこのジャンプは「跳ばなくてはいけない使命感がものすごく、強くある」。そして本番で、そのジャンプを決め、流れに乗った。バランスを崩した4回転サルコウは回転不足となったが、こらえて降りた。
自らが尊敬する、2006年トリノ五輪覇者で「皇帝」の異名をとったエフゲニー・プルシェンコ氏(ロシア)の伝説的演目「ニジンスキーに捧(ささ)ぐ」をアレンジした「Origin(オリジン)」に情感と執念をにじませて演じきり、約1万8000人の観客から万雷の拍手と歓声が舞い降りた。
だが求めるものが高いから満足しない。「ハイレベル(の戦い)じゃなかった。300点ちょっとじゃ勝てない。こんなんで勝ててしまったらいけない。さらに強くなりたい」。この悔しさが演目通り、さらなる飛躍の「起源」となるのかもしれない。【福田智沙】
https://mainichi.jp/articles/20190323/k00/00m/050/341000c
2019-03-23 14:33:00Z
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