◇第91回選抜高校野球
○札幌大谷4-1米子東●(24日・甲子園)
センバツ第2日の24日、第3試合で完投勝利した札幌大谷(北海道)の太田流星(りゅうせい)投手(3年)は自分から意見を言うことは少なく、常にマイペース。「テンポよく、飯田が構えたところに投げるだけ」と、バッテリーを組む飯田柊哉(しゅうや)主将(3年)のサインは一度も断ったことがない。だが胸中にはマウンドへの熱い思いを秘めてきた。
投手を目指して系列校の札幌大谷中に入学したものの、同学年に20人近くもの投手希望者がいた。外野に回り、2年の夏まで公式戦に出場することは一度もなかった。
「投手がやりたいです」と中学野球部の監督、有賀良太さん(33)に切り出したのは2年の秋。試しに投げさせてみると、難しいフォームとされる横手投げを始めた。有賀さんは「横手投げは誰も教えたことがないはずなのに」と驚いた。
そのフォームを選んだ裏には、同じチームの右の速球派・西原健太投手(3年)の存在があった。「こんなにすごい球を投げる仲間がいる。自分に何ができるのだろう」。自ら考え抜いて出した結論が、西原投手の上手投げに対する横手投げでコースや変化球で打ち取るスタイルだった。
投手のポジションをつかんだものの、中学時代、高校に進学後もワンポイントでの起用が多かった。だが「野手のころよりもきつかった」と話す厳しいトレーニングを耐え抜き、昨秋の北海道大会で飛躍を遂げる。西原投手の不調をカバーするため、長いイニングを任されるようになり、次第に自信をつけた。その後の明治神宮大会準決勝では筑陽学園(福岡)を八回まで無安打に抑えた。有賀さんは「ここまで成長してくれるとは」と教え子の活躍に目を見張る。
初陣の米子東(鳥取)戦では相手の選球に苦しめられる場面も。しかし、仲間たちの援護も受けて完投した。最後の打者を打ち取ると、マウンドでいつもの笑顔を見せた。試合後には「少し前までまさか自分がこの舞台で投げるなんて想像もできなかった」と話し、「四死球が多過ぎた。走者をためずにしっかりと投げたい」と次戦を見据えた。【土谷純一】
【関連記事】
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190325-00000002-senbatsuf-base
2019-03-24 22:23:54Z
52781625951509
Tidak ada komentar:
Posting Komentar