Jumat, 03 Januari 2020

[箱根駅伝]岩見の尻を見て「引き締まっていて面魂もいい」…原監督の決断と確信 - 読売新聞

 借りを返すチャンスが巡ってきた。青学大の8区岩見(3年)は平塚中継所で仲間の到着を待ちながら、1年前の苦い記憶をたどっていた。任された4区で15位と大失速。トップから転落したチームは挽回できずに5連覇を逃し、「自分のせいだ」と泣き崩れた。

 タスキを手に走り出す。背後でライバルの東海大が追い上げてきていた。往路で3分22秒だった差は7区終了時点で2分1秒に。相手は前回8区で東海大の優勝を決定づけた小松(4年)だ。「詰められるのは仕方ない。粘って粘って、粘る」

 原すすむ監督から、起用を告げられたのは区間エントリーの2日前だった。他の2人と比較して悩んでいた指揮官は、岩見の尻を見て「引き締まっている。面魂もいい」と決心した。責任を背負ったこの1年、誰が止めても構わず走り込んできた。その脚力を生かして終盤の遊行寺の坂を軽快に上る姿を見た時、原監督は勝利を確信したという。区間賞の小松と1秒差の区間2位で9区につないだ。

 最上級生の6区谷野と7区中村、9区神林(3年)、アンカー湯原(2年)は故障などに苦しみ、これが初の箱根。8区まで我慢し、神林が区間賞でリードを広げて逃げ切る会心のレース運びは、それぞれが過去の悔しさをぶつけた結果だ。選手が監督の信頼に伸び伸びと応え、一人として外さない安定感が際立っていた。

 「1年前の悔しさがあるから4連覇とは違う格別な喜びがある」と原監督。波に乗ったら止まらない、強い青学大が帰ってきた。(佐藤謙治)

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2020-01-03 13:51:00Z
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