新型コロナウイルスの感染拡大で7月24日に開幕する東京オリンピック（五輪）の開催を危ぶむ声が広がる中、国際オリンピック委員会（IOC）は3日、緊急声明を発表し「全ての選手に東京五輪に向けた準備を続けるよう促す。IOC理事会は五輪の成功のために全面的に協力する」と、予定通り大会を実施する方針を改めて強調した。

声明では2月中旬に合同作業部会を立ち上げ、大会組織委員会や東京都、日本政府、世界保健機関（WHO）と連携していると明らかにした。

IOCのバッハ会長は、この日スイスのローザンヌで始まった理事会の冒頭で「東京五輪成功に向けた準備のための理事会」と発言。感染者が急増するイタリアの理事が欠席したことに触れ「以前から予定していたこと。コロナウイルスとは無関係で、うわさや（誤った）解釈は避けられるものだ」と冗談めかす余裕もあった。

理事会では4日に東京五輪の大会組織委員会や、準備状況を監督するIOC調整委員会のコーツ委員長がビデオ会議形式で報告し、同日の審議終了後（日本時間5日未明）にバッハ氏が記者会見する予定。IOCによると今回の理事会には通常の約3倍の報道陣が取材申請し、世界的な注目度の高さを示した。（共同）