◆巨人9―3阪神(2日・東京ドーム)
昨夏以降、胆石の治療に専念していた巨人・長嶋茂雄終身名誉監督(83)=報知新聞社客員=が、298日ぶりに東京Dを訪れ、阪神との本拠地開幕戦を観戦した。大型ビジョンに元気な姿が映し出されると、ファンからは大歓声が起きた。発奮したナインは12安打9得点で圧倒。広島から移籍した丸は初回に先制二塁打、5回に1号ソロを放った。3連勝の巨人は、17年4月7日以来の単独首位に立った。
【写真】ゲレーロが止まらない!開幕4試合で打率・583、2本塁打、9打点
元気な長嶋さんが、帰ってきた。穏やかな笑みで、バルコニー席から手を振った。今季初の本拠地試合が始まる5分前。電光掲示板にミスターが映った。昨年6月8日の西武戦(東京D)以来となる公の場の姿。まさかの来場にファンから大歓声が巻き起こる。「東京ドームに来たのは久しぶりだな。やっぱり球場はいいね。わくわくするよ。みんな喜んでくれて、手を振ってくれてね」。そばで次女の三奈さんが付き添い、共に病気と闘ったスタッフも見守った。
長嶋さんの強い意向で実現した。昨年7月に胆石の治療のため入院し、12月中に退院。その後も懸命のリハビリを続け、このほど医師から本格的な外出の許可を得た。最初の“希望”はやはり愛する巨人の応援。3月31日、山口オーナーに来場したい旨の連絡を入れた。心配してくれた全ての長嶋茂雄ファンのために「一日でも早く元気な姿を見せたい」という希望からだった。午後5時31分に球場に到着。関係者の肩を借りて歩き、そのままバックネット裏上部にあるスイートルームに移動し、読売新聞グループ本社・渡辺恒雄代表取締役主筆とともに観戦した。
ミスターが見守る前で、原監督が新生・巨人を見せつけた。「初回に2点を取る打線」として“バントのない2番”坂本勇が持ち味を発揮した。初回先頭・吉川尚が左前安打で出塁すると、勇人が強攻策で中前へはじき返し、好機を広げる。そして丸が一塁線を破る二塁打で先制だ。さらに陽岱鋼の二ゴロでもう1点加え、今季4試合目で初めて「初回2点」を達成した。
安打や得点の度に膝を打って喜んだ長嶋さん。初回の攻防を見終えると、関係者に抱えられながら席を立ち、満足そうに球場を後にした。「吉川君、坂本君、丸君が1、2、3で先制してから爆発したね」とミスターもうなずいた通り、主導権を握ったあとは岡本の初適時打、ゲレーロの3ラン、そして丸の移籍1号とお祭り状態。ガルシアは中日に所属した昨季1勝3敗、防御率1・80とやり込められた相手だが、4回で7点を奪ってKOした。
チームは3連勝で約2年ぶりに単独首位に立った。原監督も「(ガルシアは)立ち上がりが上手ではないという情報はありました。したがってやっぱり1、2、3番が大きかった」とミスターが見守っていた間に見せた速攻劇を勝因に挙げた。
「今日の一戦がミスターにとっても快方に向かってくれる(材料になる)といいなと思います」と恩師へ心遣いを見せた指揮官。長嶋さん、僕たちはしっかり戦います―。若大将のメッセージは、確かに届いた。(西村 茂展)
◆長嶋さんの経過
▽18年7月初旬 体調を崩し入院。胆石が見つかり、入院して治療に。
▽8月8日 食事をとるなど快方へ。「静養に努めながら、昼は高校野球、夜は巨人戦をテレビ観戦しています」と報告。
▽11月10日 出身地・千葉県佐倉市での少年野球教室を欠席。「現在は少し弱った筋力を鍛えるリハビリに取り組んでいます」などとメッセージを寄せた。
▽同28日 山口オーナーが病院内でのリハビリは順調と報告。入院が長引く要因に「(胆石の)石の数、たまった場所だとかで簡単に取り除くことができなかったようです」と説明。
▽12月1日 山口オーナーが年内にも退院する見通しを報告。
▽19年1月18日 山口オーナーが、長嶋さんがすでに退院し、自宅でリハビリを行っていると説明。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190403-00000016-sph-base
2019-04-02 23:10:24Z
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