【パルマデマジョルカ（スペイン）10日＝高橋智行通信員】スペイン1部のマジョルカに所属するMF久保建英（18）が待望の移籍後初ゴールを記録した。

ホームのビリャレアル戦に先発。2－1の後半8分に左足で鮮やかなミドルシュートを決めた。18歳5カ月6日での一撃は、日本人の4大リーグ史上最年少得点となった。東京五輪世代のU－22（22歳以下）日本代表に招集されており、17日の国際親善試合、同コロンビア戦（広島）に向け、弾みをつけた。

　　　　◇　　　◇　　　◇

まさに目の覚めるような1発だった。待望の瞬間は後半8分。久保はペナルティーエリア手前でパスを受けると、左足でわずかにボールの位置を変えシュート。ゴール右隅へ豪快に決めた。9日にクラブのSNSのインタビューで「意識し過ぎずに、チャンスがあれば狙いたい」と話していた。欧州4大リーグでの日本人最年少ゴール。従来の森本貴幸（カターニャ＝セリエA）の記録を更新した。

前々節まで4試合連続のベンチスタート。新天地で苦しんでいた。前節のバリャドリード戦で先発復帰。2試合連続で巡ってきたチャンスを逃さなかった。前半にはドリブルで果敢に切り込み、先制点につながるPKを獲得した。PKは蹴らせてもらえなかったがチームの2点目にも絡み起点となった。抜群の存在感。豪快なゴールで仕上げた。公式戦での得点はクラブ、日本代表含め、まだ東京在籍時の6月1日のJ1リーグ大分戦で2得点して以来だった。久しく見せなかった笑みも浮かべ、後半22分に交代した。

今夏に世界一の名門Rマドリードに完全移籍した。そこから出場機会を確保するため、期限付きでマジョルカに加入したが、昨季からほぼメンバーを固定し続けるチームでポジションをつかむのは容易ではなかった。日本代表としてW杯アジア2次予選などでプレーし、度々チームを離れた。結果が出ず、もどかしい思いを抱えていたはずだ。

加入後、スペイン1部で区切りの10試合目だった。東京でも、初得点までは開幕から10試合を要した。しかしそこから2戦連発、その後は複数得点を記録するなど一気に上昇気流に乗った“実績”がある。その経験があるからこそ「ずっと（得点が）入らないわけじゃない」と話していた。近日中に帰国し、同じA代表常連のMF堂安らと、今回は東京五輪世代のU－22日本代表に合流する。同代表招集メンバーでも最年少だが、主力として期待を背負う。大きな弾みをつけた。