Sabtu, 06 April 2019

死角はあるが、豊かな資質に恵まれていれば…/桜花賞 | 競馬コラム - netkeiba.com - netkeiba.com

仕上げの手法が大きく変化した点に注目する必要がある


 「チューリップ賞」と「桜花賞」の結びつきは強い。とくに最近10年は、桜花賞で3着以内に快走した30頭のうち、20頭までがチューリップ賞出走馬。平均して…が許されるなら、桜花賞で3着以内に好走した馬のうち、「2頭」はチューリップ賞組の計算になる。

 チューリップ賞を勝ったダノンファンタジーは、GI阪神JF1600mの勝ち馬でもあるが、この2つの重要レースを勝ち桜花賞に出走したのは、2001年のテイエムオーシャンから昨18年のラッキーライラックまで5頭。桜花賞は【2-2-1-0】だった。勝率こそ目立たないが、ダノンファンタジー軽視は賢明ではない。

 ただ、まったく逆の視点だと、2月の共同通信杯からぶっつけ(中7-8週)になった馬が、最近7年の皐月賞で4勝もしているように、日本のクラシックに挑戦するスケジュール、仕上げの手法が大きく変化した点に注目する必要がある。昨18年の桜花賞馬アーモンドアイは、1月のシンザン記念から3カ月ぶり(中12週)だった。14年の2着馬レッドリヴェールは、12月8日の阪神JFから4カ月の休養明けだった。

 先週のドバイでは、他国の有力馬は高額賞金のレースに備え2月、3月に出走していたが、快走した日本馬にはアーモンドアイなど昨年以来の馬が3頭もいた。日本の調教技術の進歩はすばらしいのである。

 日本の桜花賞の範となる英1000ギニーでは、2009年、前年10月の未勝利戦を勝っただけのガナーティ(3代母ハイクレア)が、半年ぶりの5月の英1000ギニーを8F1分34秒22のレコードで快勝している。ディープインパクトの3代母でもある女王陛下のハイクレアは、2歳7月以来になった翌年5月の英1000ギニーを勝っている。

 新しい記録だと、最近20年の英1000ギニーでは、なんと「8頭」が2歳戦以来の休養明けで勝っている。日本の調教手法はこのイギリスに限りなく追いついたはずである。

 グランアレグリア(父ディープインパクト)には、もちろん死角がある。なにせ12月以来だから。しかし、牝馬の桜花賞(1000ギニー)は、アーモンドアイや、例にしたハイクレアや、ガナーティが示したように、豊かな資質に恵まれていれば間隔など空いても勝って不思議ない才能の勝負。基本のマイル戦だからだろう。

 超高速馬場だったが、2歳6月の新馬1600m(東京)を楽々と1分33秒6(上がり33秒5)でダノンファンタジーを完封している。しかし、速すぎた反動はあった(ダノンファンタジーもあのあと3カ月半休んでいる)。2勝目は才能で勝ったが、出遅れて初戦ほど強くなかった。朝日杯FSも道中の行きっぷりが悪く、並ばれて反応できなかった。しかし、入念な立て直しに成功したとみえるグランアレグリアの能力全開に期待したい。

 レースの流れはみんなの予測と逆になることが多いが、強引に行きそうな有力馬はなく、伏兵が行っても事実上のペースはきびしくならないだろう。先行抜け出し型のグランアレグリアにペースも味方する公算大。阪神への遠征経験はある。

 切れ味ならNO.1のクロノジェネシス、人気のダノンファンタジーが強敵だが、穴馬には先行型のルガールカルムを入れておきたい。

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2019-04-06 09:00:00Z
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