中谷やったぞ! 阪神が劇的な逆転勝ちで連敗を4で止めた。

1点を追う7回、代打起用された中谷将大外野手(26)が左翼ポール直撃の1号2ラン。負ければ単独最下位の一戦で出た待望の会心弾に矢野燿大監督(50)も大喜びだ。貧打解消へ、1番遊撃で鳥谷敬内野手(37)を今季初めてスタメン起用した采配もズバリ的中。さあ6日も勝って5割復帰だ。

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中谷が豪快にボールを引っぱたいた。1-2と1点を追う7回2死一塁。矢野監督から代打で打席に送られると、カウント2-2からの7球目だ。広島大瀬良の高め直球を鬼の形相でつかまえた。打球は低い弾道のまま左翼方向へ一直線。黄色い左翼ポールに直撃した。

「このチャンスをつかむ、結果を残すという気持ちで打席に入った。追い込まれた状況で、必死にボールに食らいついた結果が最高のホームランになってくれて良かったです」

終盤に飛び出した値千金の1号逆転2ラン。静まり返っていた三塁ベンチがドッと沸く。勝ち投手の権利が転がり込んだベンチのメッセンジャーは、身を乗り出してガッツポーズ。矢野監督も両手を突き上げた。打った中谷も、もちろん喜び大爆発だ。

がむしゃらだった。一昨年には133試合に出場を果たし、生え抜きの日本人打者としては浜中治以来となるシーズン20本塁打を達成。だが、昨季は77試合の出場にとどまり、本塁打は5本と激減。今季もレギュラー候補に挙げられながら、中堅の定位置をルーキー近本に譲った。開幕からベンチを温める日々…。

「悔しい思いもありましたし、いつか目立ちたい。自分も結果を残したいと思っていました」

ズバリの采配的中だった。実は矢野監督が中谷をコールする前に、次打者席でスタンバイしていたのは同じ右打者の上本だった。長打力を期待して中谷にチェンジした矢野監督は「ズバリじゃないよ。俺じゃねえよ。打ったマサヒロ(中谷)がスゴイ!」とヒーローを大絶賛だ。チームは開幕2連勝からの4連敗。前カードの巨人3連戦では、ボコボコに打ち込まれて3連敗を食らった。漂い始めた沈滞ムードを吹き飛ばす劇弾は、逆襲を誓った男の意地だった。【桝井聡】

▼阪神中谷が7回に決勝の代打逆転2ラン。中谷の代打本塁打は16年8月3日DeNA戦、17年7月23日ヤクルト戦、18年10月10日DeNA戦に続き通算4本目だが、これまでの3本はいずれもソロ本塁打。2ランは初で、逆転弾も初めてとなった。