全セの「1番中堅」でスタメン出場した阪神近本光司外野手(24)が、1992年、オールスター第2戦の古田敦也(ヤクルト)以来2人目となるサイクル安打を達成し、MVPに輝いた。

初回、全パの先発オリックス山岡の2球目を強振すると、打球は左中間スタンドに突き刺さる先頭打者本塁打。球宴の先頭打者弾は昨年の西武秋山以来で史上11度目で、新人では史上初の快挙となった。

続く2回には右二塁打、3回に右前安打を放ち、サイクル安打に王手を掛けた。5回には左中間二塁打を放ち4打数4安打で迎えた7回の第5打席は左中間へ。二塁を回ったところで少し躊躇したが、中継プレーの隙を突くように三塁を陥れ快挙を達成。1試合5安打は01年ヤクルト・ペタジーニに並ぶオールスター史上最多タイ記録となった。

この日は両親も観戦に訪れており、記念球を手にした近本は「今日、親がきているので渡します。しっかり親孝行できた」と笑顔をみせた。試合前には矢野監督から「頑張ってこいよ」と激励されており、指揮官の檄に満点回答で応えた。