浦和レッズがオズワルド・オリベイラ監督(68)を解任し、後任に前ヘッドコーチの大槻毅氏(46)が就くことが28日、分かった。
この日、午前10時から行われた上武大との練習試合はオリベイラ監督が指揮を執ったが、終了後に通達。リーグ戦4連敗と低空飛行が続く現状の責任を取る形となった。29日の練習から大槻新監督が現場復帰し、6月1日のJ1リーグ川崎フロンターレ戦(等々力)に向けた立て直しの指導が始まる。鹿島アントラーズで07~09年にリーグ3連覇を達成したオリベイラ監督は昨年4月、当時の大槻暫定監督の後を受けて途中就任。下位に沈んでいたリーグ戦を5位まで押し上げ、天皇杯優勝にも導いていた。続投し「リーグとACLの2冠」を掲げた今季は、ACLこそ今月21日に1次リーグをグループ2位で突破したものの、リーグ戦は低迷。現在10年ぶりの4連敗中で11位まで落ち、降格圏まで勝ち点5差の5勝2分け6敗と負け越していた。得点力不足が深刻で、得失点差もマイナス7まで落ち込んでいる。
2日前のサンフレッチェ広島戦はホームで0-4の大敗。メンバーを固定しすぎている弊害か、若手が躍動した広島に走り負けた。試合後の会見では「悲惨な午後になってしまった。前の試合(21日のACL北京国安戦)で掛かった負荷の影響が大きかった。中4日あったので十分に回復できているという見込みでメンバーを編成したが、不運なことに消耗の度合いを評価し切れなかった」と肩を落としていた。
同日、報道陣に囲まれた中村修三GMは進退について「今日、終わったばかりだから。いつも通り」と即日解任を否定していたが、ホームで1勝1分け5敗という内容、オリベイラ監督がフィジカルコーチ出身ながら生命線の体調管理で優位に立てなかった事実などを重く受け止め、オフ明けまでにクラブとして苦渋の決断を下し、発表した。
内部昇格となる大槻氏は昨年4月2日、開幕5戦勝ちなしの成績不振で解任された堀孝史前監督に代わって、育成ダイレクター兼ユース監督から暫定監督に昇格した。黒スーツに、気合を入れるためのガチガチのオールバックの髪形。北野武監督の任侠映画「アウトレイジ」シリーズに登場する人物そっくりな風貌で、選手やサポーターから「組長」と愛されていた。
就任後はルヴァン杯1勝1分け、リーグ戦3勝1分けと無敗でオリベイラ監督にバトンを渡したが、ヘッドコーチとして支えていた今年3月8日に退任。現場から離れ、立ち上がったばかりの「海外クラブとのネットワーク構築推進プロジェクト」の責任者に“抜てき”されていた。クラブの窮地に、配置転換からわずか3カ月弱でベンチへ戻ることになった。【木下淳】
◆大槻毅(おおつき・つよし)1972年(昭47)12月1日、仙台市生まれ。仙台二高から筑波大。地元宮城の富谷高教員を務めながらJFLソニー仙台などでプレー。高い分析力で筑波大、水戸、大宮のコーチを歴任し、04年に強化本部スタッフとして浦和入り。06~10年はトップチームのコーチを務めた。11年は仙台ヘッドコーチを経験。12年に浦和へ戻り、13年から18年まで育成ダイレクター兼ユース監督として関根貴大や橋岡大樹らを育てた。
https://www.nikkansports.com/soccer/news/201905280000639.html
2019-05-28 10:56:00Z
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