日本サッカー協会とJリーグは匿名の通報があった今年7月以降、専門の調査チームを組成し、チョウ監督を含む関係者約60人に対して面談やヒアリングを実施。音声や映像といった客観的な証拠が少なく、聞き取り資料を中心に調査が進められたが、「供述内容の具体性・明確性・迫真性、供述態度、背景事情」を慎重に検討した結果、記載された言動があったと認定するに至った。
①スタッフに対する行為
今年7月に行われた福島キャンプ、チョウ監督はボール拾いや水分補給を行っていたスタッフに対して「本当に使えねえな」「お前らは遊んでる。遊ぶんだったら外にいろ」と伝えた。また、そのうち一人には「二度と顔を見せるな」などと叱責。複数の関係者によると「その仕事ぶりは特段問題がなかった」という。
さらに今年に入って以降、医療スタッフに対して「うちのメディカルじゃなくて他で治せばいい」「お前の報告は暗いんだよ」といった暴言があったことも認められた。他のスタッフに「お前は無能だ」「お前のせいで負けた」と怒鳴ることもあり、早朝・夜中や休日に電話がかかることも多かったという。
またコーチに対して「胸ぐらを掴んで壁に押しつけ、顔に手を当てて床に押し倒した」という行為があった事実、パワハラ問題が報じられた後に「内通者がいるらしい」とあるスタッフを犯人扱いした事実なども認められた。
スタッフからは「人格否定されるような言葉は何回も受けている」「ベルマーレに来たことを心底後悔している」「極端な言い方をしたら(チョウ監督の)奴隷のような感じ」といった声も上がっており、チョウ監督の言動に耐えかねたことで、一定期間出勤できなくなったり、クラブを離れたスタッフも少なくなかったという。
一方、チョウ監督は「それぞれのスタッフがより高いレベルになって欲しいと思っていることから、厳しい要求をしたり強い言葉を投げかけたりすることがある」旨は認めつつ、事後的にフォローをしていたと主張。しかし、報告書では「スタッフの受け止め方等に鑑みれば、フォローとしての効果は乏しかったと認められる」とされている。
②選手に対する行為
2018年4月ごろ、ホームゲームのハーフタイム中に前半のプレーで精彩を欠いたと感じられた選手に対して「チームの癌だ。他に移るから出ていけ!」などと怒鳴った。さらに出て行こうとしない選手に対し、さらに「出ていけ!」と2、3回怒鳴ったため、当該選手はロッカールームから出て行ったという。
その他、水が入ったバケツを蹴り飛ばしながら「お前なんか怪我してしまえ!」と発言したケース、練習に参加させずに「お前はもう諦めている」と伝えたことで当該選手がオーバートレーニング症候群と診断されたケース、「こういうプレーをする選手は湘南の選手ではない」と発言しながらサッカー雑誌を投げつけたケースなどが確認されている。
こうした疑いに対してチョウ監督は「同様のシチュエーションはあったが具体的文言もしくはニュアンスが異なる」「同様の発言はしたかもしれないがその文脈上の必要性や正当な意図・目的がある」という旨の主張をしているというが、調査チームは関係者供述をもとに事実認定した。
また選手の身体に被害を与え得る言動も確認された。メディカルスタッフに「大げさだろ。やらせろ」と伝えて選手を過度に早期復帰させたり、脳震盪を起こした選手に対して規定の復帰プログラムより早く「いいからとりあえずやれ」などと練習試合でプレーさせたり、負傷した選手の状態を確認しようとしたメディカルスタッフを「自分で考えさせろ」と静止し、当該選手が直後に全治8か月の負傷をしたりしたことなどが指摘されている。
選手の中には「あそこまで選手と向き合ってくれる監督はいない」「チョウさんのおかげで選手として成長できた」「チョウさんには愛情以外感じない」「素晴らしい人だと思う。自分が出会った監督の中で間違いなくナンバーワンだと思う」といった声も上がったという。
その一方で「精神的な苦痛を無茶苦茶受けてきた」「最初のうちは家に帰って心臓が痛くなったり、死んだ方が楽だと思うことすらあった(しかし後半になると叱られる自分は成長すると感じられるようになった)」「ベルマーレというチームは好きだがチョウ監督と一緒にやることはもう無理」といった供述があったようだ。
(取材・文 竹内達也)
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